矢口 理恵子

介護福祉士

矢口 理恵子
Rieko Yaguchi

介護職に必要なのは、謙虚さを忘れないことと、
様々な状況でのバランス感覚。

特養新館介護職員/勤続7年

福祉の世界に進んだ経緯から教えてください

高校卒業後、心理学を学びたくて専門学校へ入学しました。ただ、卒業する頃には介護の現場へ進むことになりまして。当時は介護士という職種はありませんでしたから、実際どんな世界なのかも理解しきれていないまま働き始めた感じです。しかし、いざ就職してみたら、居心地もよく、仕事も楽しい。性格的に合っていたんでしょうね。特別養護老人ホームで11年程働き、結婚後、子どもが二人生まれるまで在籍しました。

子育てを経て、すずらんの里へ?

いえ、もう一つ。子どもが小さいうちは、卒業した専門学校から、「現場での経験者として、生徒相手の講師をしてくれないか?」と声をかけてもらい、時間的にも子育てに差し支えないのでお引き受けしました。講師をしていたのは10年ぐらい。ある程度、子どもが大きくなったのを機に、「やはりお年寄りの施設で、ご利用者様の役に立つ仕事をじっくりしたい」という想いがあふれてきて、すずらんの里で働くことになったんです。

すずらんの里を選んだ決め手は?

私は実家がこの地域。すずらんの里が毎年主催するお祭りに近隣住民として遊びに来ていたこともあり、昔から馴染み深く、近しい存在の施設でした。通勤距離的にも問題なく通える距離でしたし。いろいろな意味で、安心感を持って働ける環境にあったため、すずらんの里で働くことを希望しました。最初はデイサービスで入り、子どもの成長に合わせて夜勤の仕事も可能になり、特養新館へと異動したんです。

具体的な業務内容は?

私が働く特養新館は、入所される方向けのユニットタイプ。10名の入所するご利用者様を1グループとして、365日24時間体制で交代しながらお世話させていただく業務です。主には、食事・排泄・入浴の介助になりますね。ユニットタイプということで、ご利用者様への、より密接な介助をできるのが魅力だと感じています。細やかなやりとりができるので、なおさら自分に合っている職場だと思いますね。

業務に対しての考えを教えてください

ご利用者様一人ひとりの個性を見極めて、接し方・寄り添い方が変わってきます。時に厳しく、時に優しく。そういう使い分けも必要です。ただ、チームケアなので、自分だけの判断では行動できません。方針や考え方を統一してやっていくのが難しいところです。ご利用者様に対してだけでなく、仲間同士のコミュニケーションも密なものになります。

この仕事で大変に感じる点は?

女性の立場として言えば、やはり家庭との両立は、誰しも大変だと思います。どうしても時間が不規則なので。家族の協力がないと難しい仕事です。その点、私は家族の理解や協力があるため恵まれています。働きたい仕事が存分にできていますから。子どもたちがある程度成長した段階で、「ママは働きます。夜勤で夜いない日もあります!」と宣言しました。

業務の中で大変な部分は?

ご利用者様のコンディションによってケアが変わってくるところです。具体例を挙げると、最初は元気だったご利用者様が、病気になり入院し、施設に戻ってきたら病状がかなり重くなっているケース。これが少なくありません。それでも入院前と同じようにユニット内での支援を滞りなく、していく必要があります。どのようにバランスをとるか。そこが悩ましいです。ユニットスタッフや看護師さんと綿密に話し合って方針を決め、その都度、最善のケアを目指します。

逆に嬉しいと感じる点や、やりがいは?

認知症の方からは、時に思いもよらない発想から生まれる言葉をいただくことがあり、そんな時は嬉しい気持ちになります。言い方はおかしいかもしれませんが、私は認知症の方と接するのが好きなんですね。この仕事って、結局は自己満足なんじゃないかと思う時はあります。ただ、看る側の自分が満足していない介護は、まだ充分なレベルに達していないから。そう思うんです。自身の介護が、ご利用者様にとって良いことなのか悪いことなのかを判断し、日々の介護業務に臨んでいます。

業務で強く心がけている点は?

いろいろな介助がありますが、私自身の中で「入浴介助だけは、とにかく楽しく感じてもらえる時間にしよう」と決めています。ご利用者様にとって食事も楽しみですが、入浴はまた特別な時間。ゆったりと心から寛いでもらうように心がけています。トイレ介助の時に排泄のことは恥ずかしくて話したがらないのが当たり前ですし、食事の時も遠慮して話をしなかったりするもの。でもお風呂に入っている時は、いちばんリラックスできる時間なため、関係のない雑談から始まり、ポロッと本音を話してくれることが多いんです。ですから入浴介助の時だけは、どんなことがあっても最大限、優しく接するようにしています。

後輩へアドバイスしていることは?

この仕事は時代と共に変化が生じることも含め、非常に奥が深いと感じています。だからこそ、その時々でベストな介助を目指して行動する訳ですが、先程も言った通り、どうしても家庭と仕事のバランスで悩むものなんです。また、理想の介護と現実のギャップから、落ち込んでしまう若い子もたくさん見てきました。私個人の考えとしては、「家庭があってこそ、この仕事もできる」という明確な優先順位があるので、今までやってこれた部分があります。要はその中で「どれだけできるか?」だと思うんです。そのためにも、看る側が壊れてしまったら駄目。新しく入ってきた子には、「自分がいちばんでいい。自分自身の心と体が元気じゃなかったら、人に優しくなんてできっこない。だからとにかく無理はしない。疲れちゃった時に、手を抜くところは抜いてもかまわない。上手にバランスをとりながら長くこの仕事を続けてほしい」。そう言っています。

未来の仲間にメッセージをお願いします

仕事を覚えて1年2年3年経ったら、ベテランと呼ばれる世界。ただ、周囲からベテラン扱いされたとしても、自分で全てわかっているつもりにならないこと。謙虚さを常に持っていないと、大きな失敗に繋がりやすい仕事です。経験を積めば積む程、そこに陥りやすいと思いますね。介護の仕事はチームプレー。周囲から教えられたこと、注意されたことは、しっかり聞いて受け止められる人と、私は一緒に働きたいです。

採用に関することはお気軽にお問い合わせください。

ふれあいが大好き、笑顔のたえない明るい方を、すずらんの里はお待ちしています!